舞台挨拶終了後、たしか10分後くらいから上映開始。
舞台上のみなさまを見るには遠かった席も、映画を見るにはベストポジションでした。


綾野剛さんに会いたい

という目的で来てて、正直、映画自体はそれほど興味があったわけではなかったんですが、実際観てみると、テンポがよく最後まで飽きさせなくて、途中何度かグロシーンにひえ~っとなりつつも、2時間19分という長さを感じさせない映画でした。





◆あらすじ◆

新宿にやってきた白鳥龍彦は、帰りの電車賃もない。
チンピラに絡まれてボコボコにされていたところに通りかかった真虎に助けられ、クラブに紹介するホステスをスカウトする仕事に誘われる。

「俺がスカウトした女の子は必ず幸せだって言わせます!」

と仕事を始めることを誓うが…。
風俗嬢のアゲハとの出会いと別れ、過去の自分、街に飲み込まれる人々。
次々と過酷な運命が待ち受けていた…。

といった感じでしょうか。

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綾野剛さんは今回、お金はないけど、前向きで、優しくて純粋、まっすぐで、バカなんだけど愛すべきキャラクターを演じられています。
綾野さんといえば、口数が少なくて、繊細で、心の中に闇があるとか、言い知れぬ孤独を抱えている、みたいな役が多い感じですが(『そこのみにて光り輝く』よかったなあ)。
こういう見た目とか雰囲気が全くかっこよくなくて、底抜けに明るい、みたいな役、意外だけどハマってました。


風俗嬢のアゲハを演じる沢尻エリカさんは、綾野さんが番宣でも絶賛してましたが。
沢尻さん自身は役の雰囲気に合ってると思ったし、ヘルタースケルターに続いて、今回も出演中ほとんど下着みたいな姿で、根性あるなあ~なんて思ってみてたけど。
(いや、他の役もその間にやってらっしゃいますが、あの女の格付けドラマとかも、休みます。裏で目に入らずだったし 笑)
とはいえ、個人的にはそこまでめちゃくちゃよかった!とまでは思わなかったんだけども、プロデューサーさんも「心からの役者魂を持った女優」っておっしゃってて。
現場での役に対する姿勢とか入り込み方とか、心意気みたいなものが素晴らしいってことなのかな??
どんなふうに映画に取り組んでるのかというのは、観てるほうはわからないから、また感じ方も違うのかも。
もちろん、可愛らしくて、でもどうしようもなくなっていく姿はこの映画のキーになってて、沢尻さんのそんなんになっちゃうの??っていう演技は見ものです。


そして、舞台挨拶には残念ながらいらっしゃらなかったけど、伊勢谷友介さん演じる真虎が異様にかっこよかったです(笑)
伊勢谷さんはそらかっこいいのは知ってたけど、この映画の中で、いい男過ぎてなんなの!
龍彦を拾って、スカウトの仕事に誘い、才能を見抜いて、大切に育てようとしてくれる。
ピンチの時は頭脳と行動力で助けてくれる。
優しくて、情に熱くて、頭が良くて、人望もある。
とはいえ、なんかとんでもないこと腹の中で考えてるでしょ、って感じの、タダものではない感。

なんかこの映画の<筋の通った男>枠の人は、そんな人いねーよ!みたな、やたらにいい男に描かれてるんです(笑)

龍彦も、

「なんでそんなに優しくしてくれるの?
今日会ったばっかりなのに」

と言うアゲハに

「男の子が女の子を守るのは当然でしょ」

とかさらっと言っちゃうんですが。
そらモテるわ!
アゲハが好きになるのも当然でしょう、という。
男性が描く、こういう男でありたい、みたいな理想像が反映されてるんでしょうか。
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ヒロインのアゲハは、純粋な内面と傷ついた心、逃れられない現実を抱えた女性。
好きな絵本の中に出てくる王子様が現れることを信じている。
そして龍彦に出会って、王子様、一緒に逃げよう、と。

心のキレイなコールガールとか、純粋無垢なストリッパーとか、外国の映画とかでもほんとよくある設定ですが。
なんというか、平たく言えば究極のギャップ萌え。
さらに、以前某芸人さんが言ってたけど、俺が守ってやらきゃ、的な、いわゆる<男気スイッチ>がガッチリ入る展開。

そして、美女が見た目や肩書きではなく、何も持たない男性の男気に惚れる、という。

そういうとこ、男性漫画の原作らしいなあなんて思いました。


そして、やっぱりバイオレンスシーンが多くて、思わず口元を押さえたり、何回も胸のあたりにス~っと冷気が走ったわ。
ペットボトルが出てくるシーンは特に要注意。
でも、私は普段、少年漫画原作とかの<喧嘩は男の美学>みたいなのがさっぱり理解出来ないので、その手の映画はあまりおもしろいと思ったことがなかったんですが。
この映画は、そういうシーンも多いけど、人物描写も丁寧で、ストーリーの流れとしての場面だったので、映画の中の一場面として見ることが出来ました。

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そして映画の終わり方は、続編をやりたい感がプンプン漂ってきました(笑)
内容も、まだ何もわかってないし、これからでしょ、って感じだし。
ご本人たちもその気満々のようですし。
きっとヒットしそうなので、続き、見られるでしょう。


この映画は、他にも山田孝之さん、吉田鋼太郎さん、山田優さんなどが出演されてて、プライベートでも仲が良さそうなお話しぶりでしたが。
なんか最近、仲間内感というか、身内感の強い作品が多い気がするのは気のせいかしら…。
それぞれが役に合っていればもちろん問題ないんだけど、でもなんとなく友達同士でやりました、みたいな感じが強すぎるのもちょっぴり違和感を覚えたりなんかして。
ま、売れてる人はいろんな作品に出るから自然に仲良くなるし、売れてるからこそ同じような人が共演することも多い、ってこともあるのかな??


そして、直接ストーリーとは関係ないのですが、音がとにかく大きくて、最後のほうはホント耳が変になりそうだった
音響のいい映画館だったみたいなので、それも関係あるのかな??


いろいろ書きましたが、素直におもしろいと思える映画でした。


ところで。
上映後、もーしかしたら残っててもっかい出てきてくれたりしないかな~とか期待したけど、やはりそういうサプライズはございませんでした。
みなさんお忙しいでしょうし、速攻東京に帰られたんでしょうかね、まだじゅうぶん間に合う時間だったし。
もしくは大阪で飲んで帰ったのかな??
もしかしたらこの近くのお店とかにまだいるのかも、とか思うと、同じ空気を吸ってるというか(笑)なんか勝手にちょっとテンション上がったりして。

舞台挨拶も映画もよくて、楽しい時間を過ごすことが出来ました。
続編やるときはまた来てくださ~い。